2019-05-11

【症例報告】圧迫骨折後の慢性腰痛に対する足部からのアプローチ<インストラクター シマムー>

セラピストスキルアップ実践会認定講師の宮森大地です。
本日もブログにお越しいただき、本当にありがとうございます。
毎週土曜日は当会の認定インストラクターによる症例報告をお送りいたします。

さて、本日はシマムーによる症例報告です。
「圧迫骨折後の慢性腰痛に対する足部からのアプローチ」です。

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《症例紹介》
・80代 女性
・主訴:10分程の立位や歩行時に、右腰から下腿にかけて疼痛あり

《評価》
●視診
・立位姿勢:
左荷重優位、骨盤左偏位、脊柱右側屈位、頸部左側屈

●触診
圧迫骨折による円背もあり、胸郭や体幹の可動性低下著名
また、右の臀筋群から下腿三頭筋の筋萎縮もあり

●動作観察
立位前屈、後屈とも足部内での重心移動が右足はほとんど行えず、足関節によるバランス戦略がほぼ機能していない。そのため、股関節によるバランス戦略中心となっており、下腿や脊柱起立筋への負担が増えている。

側屈も右側は行えるが、左側には重心をうまく移せず不十分、また恐怖心あり。

回旋も左側には行えるが、右側には重心移動できず不十分。
右腰から下腿にかけての疼痛への恐怖心から左荷重が定着。
右下肢への荷重を意識してもらうが、うまく行えず。

●身体評価
・両足外反母趾、踵骨回外、扁平足
・右足関節背屈制限、立方骨下制
・足趾の屈曲が自分ではIP関節までしか動かず、特に拇指はほとんど動かせていない
・脚長差、側弯なし

《考察》
寝ている時や座っている時には、腰痛や下腿にかけての疼痛が生じていないことから、立位姿勢に問題あると考える。
動作観察にて、足底内での重心移動がほとんど行えていなかった。
この事から股関節によるバランス戦略となり、脊柱起立筋や下腿三頭筋への負担が増えている。

足関節によるバランス戦略が取れなくなっている原因を探るため、足部や足関節に着目する。
痛みを感じている側の足部のアライメントが崩れている(踵骨の回外、立方骨下制による背屈制限)。また、足趾も動かせていないため、アーチも機能していない。
ここから、足部へのアプローチの操法を選択。寝ている姿勢が楽との事だったので、感覚を向上させるため、足趾の圧痛と踵骨回外へのアプローチとして、足首内外旋を選択する。

《結果》
操法実施後は、両足がしっかりと床についている感じに気がついてもらえました。
また、それに伴い右下肢への荷重も可能となったため、正しい重心移動の方法をセルフケアとしてお伝えしました。

《感想》
重力環境下で生活しているため、特に高齢者など抗重力筋の筋力低下がある方は、重力や体重を正しく受け止められる姿勢作りは大事だと認識した症例でした。
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<宮森のコメント>
なぜか「骨盤は体の土台」という方がいますが、どう考えても土台は足だと私は思います。
操体法でも足から順番に整えていく、という哲学がありますが、足を整えることで体が変わる方は多くいらっしゃいます。
足部を細やかに観られるようになると、臨床の幅も広がると思います。

また来週も認定インストラクターの症例報告をさせていただきます。
明日からもがんばっていきましょう!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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