2019-05-28

知識を増やすことによる弊害

セラピストスキルアップ実践会認定講師の宮森大地です。
本日もブログにお越しいただき、本当にありがとうございます。

恥の多い人生を送ってきました。
今までいろんな人を傷つけたり、傲慢な態度をとったり…。
圧倒的なニセモノの特徴ですね…ホンモノになりたいものです。
遅いですが、2019年のテーマは“謙虚”にしていきます。

さて、そんな反省から始まった本日は「知識を増やすことによる弊害」というお話。

知識とは、体系化され、意味付けされた情報です。
知識を増やす・蓄えることはとても有意義なことだと思います。
もちろん、知識を得た上で実践をすることが何よりも大事です。
実践し、得られた経験を活かすことによって智慧に変わります。

その一環として、個人的にいろいろな食事法を実験しています。
だいたい2~3年間隔で食事法を変えています。
今は高タンパク+メガビタミンという栄養素を徹底的に入れる方法を試しています。
文字通り、タンパク質を大量に摂取していきます。
ビタミンも厚生労働省の設定している耐容上限量の数十倍~数百倍も摂取します。

この結果、体重もガンガン増え、筋肉もつきやすくなったように思います。
ビタミンも摂取しているからか、代謝の回転も速いように感じます。
肌がきれいになったり、筋肉痛の回復が早くなったりしています。

さて、この高タンパク+メガビタミンを実践する上では分子栄養学+生化学の知識は必要です。
「タンパク質は1日に体重1kgあたり2gで…」
「ビタミンB群とCは水溶性だからこまめに…」
「鉄の吸収効率を考えたらキレート鉄で…」
「でも鉄と亜鉛と銅は競合するから…」

など、栄養素の摂取量や吸収効率、特性を考慮していきます。

特にメガビタミンを実践するとわかりますが、サプリメントの量が半端じゃないです。
知らない方が見たらドン引きするだけの量を私は摂っています。

しかも一昨年と去年の私は断食ばっかりやっていたのですから落差がすごいです(笑)
とは言え、若い頃と違って食事法に依存していないので「これは普通じゃないよな」という感覚はあります(あくまで実験としてやっています)。

と、そんな冷静な面もあるので自分は大丈夫かと思っていました。
そう、思っていました…。
しかし、忘れてはいけない感覚を忘れている自分に気が付きました。

それが食事に対する原始感覚です。
空腹感に伴う「食べたい!」という欲求です。

私はこれまで玄米菜食や断食を行ってきたことがあります。
ちなみに操体法では玄米菜食を勧めています。
とくに断食を行うと食欲・空腹感に対する感覚が磨かるように感じます。
そして空腹感と食欲は必ずしも一致しないことを学べます。

しかし、私は高タンパク+メガビタミンをするにあたり
「1日に必要な量はこれだから…」
「血中濃度を維持するためには○時間おきに…」

といった感じで、栄養素を摂取することを第1に考えていました。

空腹感を感じることなく、欲求を感じることもなく、栄養素だけを摂取する…。
これはどうも「生物として普通じゃない」ように思います。
いくら通常の食事で栄養素の摂取が足りないとは言っても、肝心な感覚を忘れていることに気が付きました。

知識を重要視したが故に、感覚を忘れてしまう。
これは操体法の書籍にも書かれている警告でした。

操体法をお伝えしている身でありながら、恥ずかしい限りです。

とは言え、知識が不要かと言えば違います。
故・橋本敬三医師も「操体法を科学にしていってください」と書かれています。
科学にしていくためには、さまざまな情報の蓄積とその体系化が必要です。
そしてその検証作業があって然るべきです。
さらに知識を持って実践し、体の感覚との融合が個人レベルでは必要でしょう。

要は知識も感覚もどちらも大事。

どちらも欠けてはいけないと私は思います。


これをお読みのあなたは、いかがでしょうか。
知識ばかり、感覚ばかりになってはいないでしょうか。
何か上手くいかないことがあったときには、バランスがおかしいのだと思います。
今回は個人的な経験談でしたが、何かの参考にしていただければ幸いです。

本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
それでは、また。

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セラピストスキルアップ実践会認定講師
宮森大地

2019-05-24

胃の調整でか細い女子をゴリラにしてみた<認定講師 宮森>

セラピストスキルアップ実践会認定講師の宮森大地です。
本日もブログにお越しいただき、本当にありがとうございます。
本日はセミナー報告をお送りいたします。

さて、本日は私、宮森によるセミナー報告です。
「【内臓治療】胃の調整でか細い女子をゴリラにしてみたす。

先日行われた内臓セミナーの様子です。
いろいろとご意見あるかと思いますが、結果が出る方法をまず知っておくことも大事かと思います。

以下から動画をご覧いただけます。


来週も症例報告をさせていただきます。
明日からもがんばっていきましょう!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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セラピストスキルアップ実践会認定講師
宮森大地

2019-05-21

万人に有効な運動はコレだ!

セラピストスキルアップ実践会認定講師の宮森大地です。
本日もブログにお越しいただき、本当にありがとうございます。

どうも走ると右膝が痛くなります。
いろいろやっても痛くなるので困っています。
勉強のチャンスなのでしょう…。

さて、本日は「万人に有効な運動はコレだ!」というお話。

少々思い切ったタイトルをつけてしまいました…。
私自身、ボディワークをそれなりに続けています。
ヨガが1番長く続いていますが、体験したものも含めれば
●ピラティス
●太極拳
●操体法
●ビリーズ・ブートキャンプ(懐かしい!笑)
●コア・リズム(懐かしい!!笑)
ボディワークという括りしにして良いのか…
ただ、体を動かすもの、というもので考えればこれくらいです。

これらを通してやってみると分かりますが、前提条件が異なります。
例えば、操体法は基本姿勢では足を腰幅に開きますが、ヨガでは足を揃えます。
ヨガでは基本的に鼻呼吸ですが、ピラティスでは鼻から吸って口から吐きます。
こう考えますと、どれが正しいというものはなくなるように思います。

もちろん、解剖学的な視点を持つことはとても良いと思います。
しかし、他にもそれぞれのボディワークをみる視点はあるのです。
つまり、何を基準にしてみるかで、合う・合わないが出てきてしまいます。

では、万人に有効な運動はないのか?と考えると、私は運動発達が良いと思っています。

運動発達は
●首がすわる(3ヶ月)
●寝返り(5、6ヶ月)
●おすわり(7ヶ月)
●ハイハイ(8ヶ月)
●つかまり立ち(9〜10ヶ月)
●ひとり立ち(11〜1歳)
●ひとり歩き(1歳3ヶ月)
という順番でだいたい進んでいきます(教科書的には)。

先天性の疾患などがない限りは、こういった過程を誰しもが通ります。
これは誰に教わるでもありません。
予めプログラミングされていて、自然と獲得していく動きです。
そして何より、日常生活の動作はこれらで成り立っています。

これは患者さんにお伝えしてみても「え、寝返りなんて普通にできますよ」と言います。
しかし、パターンが定型化し、いろいろなパターンでできなかったりします。
苦手なパターンをお伝えすると「寝返りって良い運動になる…‼︎」と驚かれます。
誰に習うでもなくやるものなので、無意識のパターンが形成されやすいと考えられます。
しかしそれだけに、再学習するだけで効果は高いのではないかと私は考えます。

いわゆる体幹トレーニングなどがここ何年かで流行っています。
それらが無意味とまでは言いませんが、当たり前の動作を振り返るだけでも、私の臨床の印象としてはかなり効果的です。

ぜひ、患者さんの寝返りからみてみてください。
新しい治療のヒントが得られるかもしれません。

本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
それでは、また。

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セラピストスキルアップ実践会認定講師
宮森大地

2019-05-18

【症例報告】急性ギックリ腰に対する治療経験<インストラクター こもれび>

セラピストスキルアップ実践会認定講師の宮森大地です。
本日もブログにお越しいただき、本当にありがとうございます。
毎週土曜日は当会の認定インストラクターによる症例報告をお送りいたします。

さて、本日はこもれびによる症例報告です。
「急性ギックリ腰に対する治療経験す。

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<症例紹介>
・50代女性
・介護認定調査員として週6日勤務
・月に決まった時間内での勤務
・若い時に介護の仕事をしていてギックリ腰を繰り返し、治療して落ち着いたらまた勤務と自己ケアはしていなかった。

<来院までの経緯>
腰痛は以前から感じていたが放置していて、GW中に家の掃除や片付けをまとめてやった負荷のせいかGW後半から痛みに変わり、11日早朝に子供と階段ですれ違う際、体を捻った際に右腰に痛みが走ったとのこと。

<評価>
●疼痛
・主に右側の腰に痛みがある

●姿勢・動作観察
・立っている方が楽だが、左側屈位になっている
・座れるがじっとしていれられず、左臀部に体重をかけ、手で支えている
・座った状態では前屈より後屈がしづらく制限

<治療>
問診が長いと本人も辛いので話しながら、足に触る許可をもらい硬さや動きをチェックしていきました。
下腿筋の硬さ、足首の固さも左右にあることを確認。

第五趾の圧痛で右足が痛いとのことだったので圧痛操法を行い、それで坐位での後屈時の痛みや可動域が良くなりました。
さらに下腿の剥がしを入れた後にアキレス腱の圧痛を行ったことで痛みや可動域が良くなり、起立時に右足に体重をかけられるようになりました。

<考察>
問診も短い時間で色々確認できたことと、少ない手数で痛みや可動域、体重をかけられるようになったのでよかった。

ただ、自分の反省点として、そこで終わらせれば良かったのが、殿部の動きも出せたらと横向きになって剥がしを入れた後に立ち上がって貰ってからは横向きになる前の方が良いと言われたので、修正として固さが1番あったアキレス腱の軽い圧痛操法を入れて再度調整し、落ち着く形になりました。

自分の中で欲を出した悪い結果と、問診と手数が少なくても体を良く出来る自信がついた新患対応でした。
--------------------------
<宮森のコメント>
操体法において圧痛操法は瞬時に結果を出せて、急性症状に有効なテクニックです。
今回のような症例にも非常に役に立つテクニックだと思います。
どこまでやるか?は操体法で言えば「60点くらいでマにあっていればいい」と言う考え方があります。
それくらいの気持ちで臨めると、こちらにも余裕を持てて余計な手数をかけなくてもよくなるかもしれませんね。

また来週も認定インストラクターの症例報告をさせていただきます。
明日からもがんばっていきましょう!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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宮森大地

2019-05-14

簡単!即効!誰でも出来る操体法の5STEP

セラピストスキルアップ実践会認定講師の宮森大地です。
本日もブログにお越しいただき、本当にありがとうございます。

5、6月は大阪に2回ずつ参ります。
実はすでに先週行ってきたのですが、疲れるものは疲れますね。
体調管理に気をつけていかねば、と思っております。

さて、本日は「簡単!即効!誰でも出来る操体法の5STEP」というお話。

(卵かけご飯くらい簡単です)
これは先月のセミナーで受講生さんにお話した内容です。
操体法の中にはいろいろとテクニックがあり、かつ症状別ではありません。
「腰痛にはこれ!」と言ったものがないので、目の前の方にどんな操法を選択すれば良いのか…と、迷う方もいらっしゃいます。

しかし、操体法とは本来「迷わない」治療法だと私は思っています。
世の中にある治療法にどんなものがあるのか詳しくは知りませんが…きっと症状別になっているものもあることでしょう。
中には本当に繊細な技術を要求されるものもあるでしょう。

しかし、操体法は極端に言えば、触らないでも評価を済ませることができます。
どんなテクニックを用いるかを患者さんが自動的に教えてくれるのです。
あ、間違っても「何をやります?」と聞くかではないです(たまに私はやりますが)。
ちゃんと原理原則に従って評価をしていけば決まる、ということです。

操体法における原理原則とは、すなわち原始感覚です。
操体法における原始感覚とは…
1.    快感覚
2.    痛みなどの不快感
3.    何も感じない

この3つから構成されており、テクニックを行う上での理想は1.快感覚です。
これを基に、私が普段から行っている評価を時系列でお伝えします。
名付けて《簡単!即効!操体法の簡単5STEP!》です。

【STEP1.主訴を確認しましょう!】

これは操体法に限らず、基本中の基本です。
主訴、つまり、どんなことで悩んでいるかの確認です。
1番大事なところですので、忘れずに確認します。
どんな姿勢でどんなことをすると症状が出るのか?など、細かに聞いていきます。

ただ、主訴は主訴として確認をしましょう。
この後の流れとしては「主訴は主訴、評価は評価」と分けて考える必要もあります。

【STEP2.姿勢を決めましょう!】

評価の最初に姿勢を決定します。
これも患者さんに原始感覚に従って聞いていきます。

例えば、その場で「1番落ち着く姿勢」を患者さんに問いかけます。
もちろん、立っていて何もなければ立ったままやればいいですし、立っているのが辛ければ座るのは?寝るのは?寝るのはどの向き?とやっていけば自然と決まるはずです。

できれば主訴のある姿勢かそれに近いものでやると即効性はありますが、その姿勢をとることですでに痛いなど不快な感覚がある場合、それは原始感覚に反しています。

そのため、私はその時に患者さんのお体が「1番落ち着く姿勢」を選択してもらいます。

【STEP3.動診をしましょう!】

本来は視診や触診などをしますが、最悪は動診をすれば良いです。
STEP1で選択をした姿勢の中で、できる動作を確認していきます。

この動作とは、全身の連動を意識した前屈・後屈・側屈・回旋のことです。
特に坐位や立位では、重心移動も意識し、ゆっくり丁寧に行います。

また、動診のキモである「動きの感覚」を忘れずに問いかけます。
動作の中で不快なものは除外し、快感覚に出会ったものを採用していきます。
この評価ができれば、あとは操法を通すだけです。

【STEP4.操法を通しましょう!】

ここまでくれば、最後に快感覚に従って操法を通しましょう。
患者さんに感覚を問いつつ、行っていけば大抵は問題なくできると思います。

もちろん、操法を行なう回数も患者さんの原始感覚に従って決めていきます。
1回で満足する方もいれば、複数回やりたい方もいらっしゃるでしょう。
患者さんと患者さんの体に問いかけながら、しっかりと味わっていただきましょう。

【STEP5.再評価しましょう!】

操法を通し終わったら再評価です。
動診の結果はどう変わったのか?
主訴はどう変わったのか?
普段通り、それらを確認していきましょう。
結果が出ていれば患者さんと喜びを分かち合いましょう。

さて、いかがだったでしょうか。
操体法はたったの5STEPで実践ができます。
しかも、ほとんど迷いなくできる治療法なのです。

(超簡単なんですよね、やること自体は)
それは明確な基準が定められているからです。
全ての基準になる原始感覚、そして動きに関しても基本姿勢と重心移動の法則や連動が明記されています。
これほど明確に基準が定まっていて、かつ評価においては治療家の感覚に依存しない治療法は他にないのでは?と私は思います。

ぜひ、丁寧に、丁寧に試しながらやってみてください。
丁寧に行えば、大抵の患者さんは原始感覚に従っていろいろと教えてくださいます。
そして操法では、患者さんと快感感を分かち合ってみてください。

本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
それでは、また。

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宮森大地

2019-05-11

【症例報告】圧迫骨折後の慢性腰痛に対する足部からのアプローチ<インストラクター シマムー>

セラピストスキルアップ実践会認定講師の宮森大地です。
本日もブログにお越しいただき、本当にありがとうございます。
毎週土曜日は当会の認定インストラクターによる症例報告をお送りいたします。

さて、本日はシマムーによる症例報告です。
「圧迫骨折後の慢性腰痛に対する足部からのアプローチ」です。

--------------------------
《症例紹介》
・80代 女性
・主訴:10分程の立位や歩行時に、右腰から下腿にかけて疼痛あり

《評価》
●視診
・立位姿勢:
左荷重優位、骨盤左偏位、脊柱右側屈位、頸部左側屈

●触診
圧迫骨折による円背もあり、胸郭や体幹の可動性低下著名
また、右の臀筋群から下腿三頭筋の筋萎縮もあり

●動作観察
立位前屈、後屈とも足部内での重心移動が右足はほとんど行えず、足関節によるバランス戦略がほぼ機能していない。そのため、股関節によるバランス戦略中心となっており、下腿や脊柱起立筋への負担が増えている。

側屈も右側は行えるが、左側には重心をうまく移せず不十分、また恐怖心あり。

回旋も左側には行えるが、右側には重心移動できず不十分。
右腰から下腿にかけての疼痛への恐怖心から左荷重が定着。
右下肢への荷重を意識してもらうが、うまく行えず。

●身体評価
・両足外反母趾、踵骨回外、扁平足
・右足関節背屈制限、立方骨下制
・足趾の屈曲が自分ではIP関節までしか動かず、特に拇指はほとんど動かせていない
・脚長差、側弯なし

《考察》
寝ている時や座っている時には、腰痛や下腿にかけての疼痛が生じていないことから、立位姿勢に問題あると考える。
動作観察にて、足底内での重心移動がほとんど行えていなかった。
この事から股関節によるバランス戦略となり、脊柱起立筋や下腿三頭筋への負担が増えている。

足関節によるバランス戦略が取れなくなっている原因を探るため、足部や足関節に着目する。
痛みを感じている側の足部のアライメントが崩れている(踵骨の回外、立方骨下制による背屈制限)。また、足趾も動かせていないため、アーチも機能していない。
ここから、足部へのアプローチの操法を選択。寝ている姿勢が楽との事だったので、感覚を向上させるため、足趾の圧痛と踵骨回外へのアプローチとして、足首内外旋を選択する。

《結果》
操法実施後は、両足がしっかりと床についている感じに気がついてもらえました。
また、それに伴い右下肢への荷重も可能となったため、正しい重心移動の方法をセルフケアとしてお伝えしました。

《感想》
重力環境下で生活しているため、特に高齢者など抗重力筋の筋力低下がある方は、重力や体重を正しく受け止められる姿勢作りは大事だと認識した症例でした。
--------------------------

<宮森のコメント>
なぜか「骨盤は体の土台」という方がいますが、どう考えても土台は足だと私は思います。
操体法でも足から順番に整えていく、という哲学がありますが、足を整えることで体が変わる方は多くいらっしゃいます。
足部を細やかに観られるようになると、臨床の幅も広がると思います。

また来週も認定インストラクターの症例報告をさせていただきます。
明日からもがんばっていきましょう!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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2019-05-07

感覚が良くなると辛くなる?

セラピストスキルアップ実践会認定講師の宮森大地です。
本日もブログにお越しいただき、本当にありがとうございます。

先週まで通っていたヨガの学校に今週から行かなくなります。
なんだか寂しいですが、仕事が普通にあります。
1人でヨガして、患者さんを良い状態で迎えたいと思います。

さて、本日は「感覚が良くなると辛くなる?」というお話。

操体法に限りませんが、患者さんは治療を受けると基本的に体が良くなっていきます。
操体法は特に患者さんの体に問いかけます。
それが故に、感覚が良くなる方が多いように感じています。

私も操体法をセルフケアとして使ったり、ヨガをしたりしています。
自分の体の感覚を磨いていく作業はこの仕事をしていく上で大事です。
そんなことをしていると、よくこういった質問をいただきます。

「感覚が良すぎると、辛いことってありませんか?」

私の感覚なんてたかが知れていますが、私は良くなるに越したことはないと思います。
というのも、この質問をされた方は、感覚の良さを勘違いしてやいないか?と思うからです。

操体法にしろ、ヨガにしろ、“今”の自分の体の状態に注意を向けます。
体を動かした結果、生じた感覚が
・体にとってプラスか(快)
・体にとってマイナスか(不快)
・どちらでもないのか(無)

これを感じ取り、手がかりにして動きに反映していくのです。

これはつまり「自分の体の中で起きていることを感じ取っているだけ」ということです。

「感覚が良すぎると辛いのでは?」と質問する方は「普通の人は感じられないことを感じるから辛いのでは?」ということを言っているのだと思います。
しかし、「体の中で起きていることを感じ取れない方がやばくない?」と私は思います。
鈍感になっていったせいで、気が付いた時には体を壊している方が多いと私は感じています。

また、もしかしたらですが「体の中で起きていないことすらも感じ取る」と勘違いしている方もいらっしゃいます。
これはただの妄想だとか、幻覚だとかの類だと思われますし、感覚を磨いていった結果感じるものとは別物なのでは?と私は思います。

確かに、情報量の多い世の中で感覚が良いのは辛いかもしれません。
あくまで私の感覚ですが、人混みで疲れやすくなったり、高低差のある移動がきつくなったりすることもありました。
実際には、これらには自律神経のバランスなどもあるでしょうから、体調管理を今までよりも気を配るようにすれば対応できるものも増えました。

他にも、明らかにお酒が飲めなくなりました。
しかし、よくよく考えれば今まではお酒を飲んでも酔っていることに「気付いていなかった」のだと思います。
今ではビール1、2杯で満足できるくらいに酔うようになりました。
正確に言えば、酔っていることに「気付ける」ようになりました。
これって色々な過剰なことを防ぐ意味では大事なことだと思います。
あとは酔っ払って人様に迷惑をかけたり、みっともない姿を晒したり、色々社会的な意味でも良いことだと思っています。

ということで、私は感覚を良くするのはメリットの方が大きいと思います。
磨いていくことに越したことはないと思いますので、何か実行に移されることをオススメいたします。

本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
それでは、また。

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2019-05-04

【症例報告】側弯のある腰痛患者さんに対する操体法<認定インストラクター KAITO>

セラピストスキルアップ実践会認定講師の宮森大地です。
本日もブログにお越しいただき、本当にありがとうございます。
毎週土曜日は当会の認定インストラクターによる症例報告をお送りいたします。

さて、本日はKAITOによる症例報告です。
「側弯のある腰痛患者さんに対する操体法」です。

--------------------------
《基本情報》
・70代男性 無職
・主訴:歩行時に腰痛増悪
・HOPE:キャンピングカーに乗って旅行がしたい
・既往歴:60代の時、左ハムスト肉離れ

《評価》
●姿勢観察:
・右下肢荷重優位
・左下肢荷重不足
・骨盤左傾斜
・代償的に胸椎左凸→右カーブ
・左肩関節高位

●筋力、バランス評価:
・左下肢 特に臀筋周囲筋力低下
・片脚立位の際の不安定性著明

《アプローチ》
仰臥位での下肢伸展位がラクとのことで、踵突き出し・肩上げ下げを選択。

下肢は左下肢を伸ばしたいとのことで、実施すると腰・背中あたりまで捻れるような気持ち良さがあるとのことで、このことから感覚レベルは良好な印象。

肩上げ下げでは右肩を上げ、左肩を下げたいとのことで、操法実施。
背中から首周りまで筋肉の伸びる心地良さを感じていただいた。

《結果》
左下肢への荷重量増加し、骨盤の傾斜も軽減し、脊柱も正中位へ近づく。
結果的に肩関節の高さ、左右差が改善する。
前額面でのアライメント修正効果が見られた。

それに伴い歩行時の腰への負担も軽減し、腰痛が緩和された。

《考察、セルフケア》
立位アライメントの修正により、動作面・疼痛面で改善が見られたが、そもそも何故その姿勢になっているか考えることが重要だと感じた。

症例の場合は、既往にある左ハムストリングスの肉離れの経験・痛みから、無意識的に右下肢荷重優位となり、年数の経過とともに上記のような歪みに進行したと考えられる。

左ハムスト肉離れは、既に組織的に修復されているため、ランジ動作や片脚立位など積極的な荷重練習をセルフケアとして行っていただいた。

左下肢への荷重感覚習得・筋力強化により、初めは戻りやすかった立位での歪みも、次第に戻りにくくなっていった。

何故今の姿勢になり、症状が出ているのか、丁寧な問診・評価によって、根本の原因を紐解いていくことが重要だと感じました。

来週はキャンピングカーに乗り、旅行へ出かけられるそうです!(^^)
--------------------------

<宮森のコメント>
栄養状態や病的な状態にあれば話は別ですが、組織の修復は自動的に行われます。
しかし、姿勢や動作、そのパターンについては意識的な修正がしばしば必要になります。
姿勢や動作にまで視野を広げられると良いという症例報告でした。

また来週も認定インストラクターの症例報告をさせていただきます。
明日からもがんばっていきましょう!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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