2018-11-25

【症例報告】術後脚長差による股関節、腰痛、右肩痛を発症した症<認定インストラクター シマムー>

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セラピストスキルアップ実践会認定講師の宮森大地です。
本日もブログにお越しいただき、本当にありがとうございます。
毎週日曜日の夜は当会の認定インストラクターによる症例報告をお送りいたします。

さて、本日はシマムーによる症例報告。
「術後脚長差による股関節、腰痛、右肩痛を発症した症例」です。

(構造的な破綻にどう向きあうのか?)
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【症例紹介】
80代女性
両側股関節人工関節置換術
(術後左2年 右1年経過)

主訴
右股関節の過重痛・屈曲痛、腰痛、右肩の痛み


【評価】
◆視診
ベッド上背臥位にて、脚長差あり(右が左より3㎝短い)。左下肢外旋位著明。
立位時、脚長差による骨盤傾斜、脊柱右側屈、肩甲帯右挙上。

◆触診
右内転筋の筋硬結、圧痛あり
右腸腰筋と殿筋の筋萎縮・筋力低下あり

◆動診
体幹側屈及び回旋の重心移動にて、右下肢への過重が不十分であり、恐怖心の訴えあり。
歩行にて、右立脚相中~後期で、骨盤スラストあり。

◆問診
手術後から脚長差あったが、医師からは経過観察で良いと言われていた。
退院してから半年間は、痛み感じながらも杖で歩けていたが、徐々に右股関節~腰~右肩と痛みが広がってきたとの事。


【仮説と治療】
◆その1.
脚長差が見かけ上のものでないか、ベッド上でアライメント整え確認する。
画像上からも、どうやら手術による後遺症である可能性が高い(脚長差が構造的な破綻からきている)。

◆その2.
脚長差による骨盤傾斜により臼蓋と大腿骨頭のアライメント不良(歪みの発生)
→慢性的な姿勢不良による股関節荷重の感覚異常
→股関節周囲筋の筋力低下(機能異常)
→肩甲帯・脊柱による姿勢代償(さらなる歪みの発生)

◆その3.
右足にインソールによる補高を実施。
脚長差による骨盤傾斜を修正。

◆その4.
臼蓋と大腿骨頭のアライメント修正と殿筋群の筋促通目的に、下肢内外旋を選択。
アウターではなく、インナーへの働きかけや関節包内の運動をイメージしながら操法を通す。

◆その5.
下肢からの荷重感覚と脊柱~肩甲帯、頚部へのつながりを促通するため、踵突きだしを実施。

◆その6.
抗重力位での荷重感覚として、座位にて肩上げ下げを行う。


【結果】
初回介入で腰痛や右肩の痛みは消失。
右股関節の荷重時や屈曲時の痛みも7割程改善。
歩行時に、右下肢にもしっかりと荷重する事が可能になる。


【考察】
本症例は、手術してからの経過が長く、長い時間かけてアライメント不良や姿勢代償により動作エラーが生じて、痛みを発生させていた。
人間の土台となる下肢からのアプローチにて、症状改善に繋げていく事が出来た。

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今回の症例報告では、操体法の病気のプロセスを使って分かりやすく報告してもらえました。
今回のケースのように、手術をしている方はすでに器質破壊(構造の構築学的な破綻)があります。
こういった場合は、インソールなどの自助具で構造をカバーすることで失われた構造と機能を代償していく必要がある場合があります。


こうして構造と機能をインソールでカバーし、その上でご本人の残存機能を引き出すことのできた症例報告でした。
久々に理学療法士らしい症例報告を聞けて、元理学療法士としては胸が熱くなりました(笑)


また来週も認定インストラクターの症例報告をさせていただきます。
明日からもがんばっていきましょう!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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