2017-08-14

関節可動域の制限因子の一覧

セラピストスキルアップ実践会認定講師の宮森大地です。
本日もブログをお越しいただき、本当にありがとうございます。

さて、本日は関節可動域制限について。

先日のスクールにて、とあるスクール生さんに相談を受けました。
「もう何カ月も治療しているのですが、肩がなかなか上がらない患者さんがいるんです。どうしたらいいですか?」
この相談を受けて、いくつかテクニックのアドバイスは送りましたが、“何カ月も治療しても結果が出ない”というところに引っかかり、こちらから逆に質問をしてみました。

「ところでその方の制限因子って筋ですか?関節包ですか?ほかになにか考えられますか?」
「それってどうやって判断するんですか?」

そこで私はちょっとしたショックを受けました。
もしかしたら…
①関節可動域の制限因子には、どんなものがあるのか知らないのではないか。
②制限因子を判断するための知識を知らないのではないか。

最低限、これら2つのことを知っていないと予後予測ができませんし、患者さんに適切な通院頻度や通院期間をお伝えできません。ちゃんとしたことを伝えられないということは、ゴールの見えないマラソンを強制するようなものです。

そこで、今回は久々に理学療法士時代に使っていた教科書を開きまして…
関節可動域の制限因子にはどんなものがあるか?をシェアしたいと思います。
※明日は制限因子の判別方法についてお伝えします。

まず、関節可動域の制限因子には以下の8つがあるとされています(書籍によってはもっと大ざっぱだったり、細かかったりしますが…)。

1.痛み
2.皮膚の癒着や可動性(伸張性)の低下
3.関節包の癒着や短縮
4.筋・腱の短縮および筋膜の癒着
5.筋緊張増加(筋スパズム)
6.関節包内運動の障害
7.腫脹・浮腫
8.骨の衝突

本日はこれら1つ1つについて簡単なご説明と対策や具体例を挙げていきます。

1.痛み
患者さんの痛みの訴えによって、それ以上の可動域を増やすことができないもの。
これは単純に「先生、これ以上は痛くて無理です」というやつです。手術直後や外傷の直後、あとは痛みを訴える疾患などで多く見られます。
これは痛みを軽減させることで可動域の改善を図ることができますが、たいていは別の制限因子がのちに出てくることが多いです。

2.皮膚の癒着や可動性(伸張性)の増加
おもに皮膚のつっぱった感じで可動域が制限されるもの。痛みを伴うこともある。
こちらも手術後の術創、外傷による傷、熱傷による皮膚の損傷部位に多く見られます。
この場合は関節を動かすというよりも、(衛生面に気を付けた上で)皮膚を直接ストレッチすることで改善を図っていくことが多いです。

3.関節包の癒着や短縮
関節周囲の手術や長時間の湖底による関節包の癒着や短縮によるもの。
筋などの軟部組織に比べて、かなり硬い感じで関節の動きが制限されます。
低負荷で長時間のストレッチングを行うと良いとされています。
後に出てくる関節包内運動障害が起きる原因の1つでもあります。

4.筋・腱の短縮および筋膜の癒着
ギプス固定や外傷、手術による筋・腱の短縮や筋膜の癒着によるもの。
特徴としては可動域の限界に近づくにつれて、徐々に関節運動の抵抗感が強まっていくもの。
可動域制限因子の中でも割合が多いとされています。
おもにはストレッチングが適応となることが多いです。

5.筋緊張増加(筋スパズム)
局所的で持続的な筋緊張の亢進状態によるもの。
特徴としては①関節運動の最終域で急激に関節運動が制限される場合と、②全体的に筋緊張が亢進している場合とがあります。
持続的な痛みや姿勢異常から起こることが多いとされています。
筋の収縮によって短縮しているため、構造的な短縮はないとされています(実際は混在しているように思います)。
痛みや姿勢異常などの筋スパズムの原因にアプローチしないと元に戻りやすい特徴があります。

6.関節包内運動の障害
関節の遊びや構成運動の障害によるもの。
おおくは3.関節包の癒着や短縮に起因することが多い。

7.腫脹・浮腫
外傷後の腫脹やさまざまな原因による浮腫によるもの。
これらが強いと軟部組織の接触性による制限に近い感じになる(やわらかい感じで制限)。
いわゆる圧迫や挙上など、浮腫の改善に向けたアプローチが必要で、腫脹や浮腫の改善を急がないと周辺組織へのコラーゲン架橋形成などが起きてしまうことが多い。

8.骨の衝突
正常関節(例えば、肘関節の伸展)でも起こりうるが、外傷などによる関節構成隊の変形などによる骨の衝突によって制限されるものもある。
急激に制限されるのが特徴で、いわゆる徒手療法では対象にならない。


簡単にですが、まとめてみました。他にも靭帯性(3.関節包に分類)などがあります。
明日はそれぞれの判断をするためのendfeel:最終域感)というものをお伝えします。

本日もブログを読んでいただき、本当にありがとうござました。

それでは、また明日。


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